J i M a g a z i n e
01
中山 智士さん(こうなん薬局/薬剤師3年目)。自筆の回答:Q1 在宅医療。Q2 「薬屋さん」から「中山さん」と呼ばれるようになりました。Q3 CloseDiのメルマガ読者の方。Q4 地域の方々。
Q1

いま,何にときめいていますか?

在宅医療です。勤めている薬局が在宅に力を入れていて,ドクターの訪問診療に同行して患者さんのお宅を訪問しています。診察のやりとりをそばで聞いていると,この症状にこの薬を選んだ理由までみえてくるのが面白くて,帰宅してからも「あの患者さんのあの薬はどうだったかな」と考えてしまうことがあります。小学生の頃に入院した経験から医療従事者に憧れたのが,この仕事の原点です。働くほどに発見があって,ますます楽しくなっています。

Q2

最近,一番嬉しかった瞬間はなんですか?

在宅で担当している患者さんに,名前で呼んでもらえるようになったことです。80代の女性で,最初の頃はずっと「薬屋さんのお兄ちゃん」と呼ばれていました。それが訪問を重ねるうちに,いつからか「中山さん」に変わっていったんです。在宅チームの方からも「覚えてもらってたよ」と聞き,僕がいない場でも名前が出ていたと知りました。薬剤師としてだけでなく,一人の人間として信頼してもらえたと感じています。

Q3

いま,自分のときめきを共有している人はいますか?

調剤室に立つ中山智士さん

CloseDiという,薬剤師だけが登録できる医薬品情報サイトのメルマガ読者の方々です。在宅同行や日常業務で気になったことを調べて,メルマガで発信しています。最近,反響が大きかったのは,販売名に「徐放錠」と付いていない徐放性製剤の一覧でした。調べたことがどこかの現場で役立っていると思うと,次は何を調べようかと探すのがまた楽しくなります。

Q4

このときめきをどこまで広げたいですか?

在宅医療を,地域の方々に広げたいです。住み慣れた自宅で過ごすことも自分らしい生き方の一つで,在宅医療が知られれば,その選択をできる方が増えるはずです。そのために欠かせないのが患者さんとの信頼関係で,名前を覚えてくれた患者さんも,いまでは困ったことがあると薬局に電話をかけてきて,「あんまり周りの人に言わんといてな」と悩みを打ち明けてくださいます。そんなふうに頼ってもらえる薬剤師が増えていけば,在宅医療はもっと身近になっていくと思います。

02
藤田 奨さん(さくら薬局 千栗店/管理薬剤師・薬局長,薬剤師7年目)。自筆の回答:Q1 ギターの演奏や曲作りです。Q2 社内の後輩たちとバンドを組み,大勢の社員の前でライブができたことです。Q3 同期やバンドを組んだ後輩たち。Q4 地域の患者さんやMSNWグループ全体。
Q1

いま,何にときめいていますか?

白衣姿で調剤する藤田奨さん

ギターの演奏や曲作りです。ギターに興味をもったきっかけは父で,父が好きな浜田省吾さんからも影響を受けています。子どもの頃は,父のアコースティックギターを弾かせてもらうこともありましたが,やっぱり「自分のギターが欲しい」とお願いして,中学3年生の誕生日に買ってもらえることになりました。楽器店で初めてエレキギターを試し弾きしたとき,電気が走ったような感覚で,「これだ!」と思ったのを覚えています。その日からずっと,ギターに夢中です。

Q2

最近,一番嬉しかった瞬間はなんですか?

バンドを組んで,会社の忘年会と新人歓迎会のステージに立てたことです。初ライブとなった忘年会は,結成半年で自分以外はほぼ楽器初心者だったこともあり,正直不安もありました。そこから半年練習して臨んだ新人歓迎会では,納得のいく演奏ができたと思います。学生時代のライブは多くても数十人の観客でしたが,今回は約200人の社員の前で演奏し,声援と拍手までいただきました。プロになったような錯覚を味わえたのが,本当に嬉しかったです。

Q3

いま,自分のときめきを共有している人はいますか?

好きなバンドやギタリストの話で盛り上がっている会社の同期や後輩たちです。バンドメンバーは会社の後輩たちで,ある後輩の「ベースをやりたい」というひとことから「じゃあバンドを組めたらいいね」という話が結成につながりました。いま,同じときめきを共有している仲間です。

Q4

このときめきをどこまで広げたいですか?

地域の患者さんや,グループ会社全体に広げたいです。ギターを弾くときは,前に出て目立つより,バンド全体で良い音楽を届けるために何ができるかを考えています。これは薬剤師の仕事にも通じるところがあると思っていて,「全体のために何ができるか」という考え方を活かして,患者さん一人ひとりへのサポートを実現していきたいです。それと,個人的な夢もあります。40歳までにプロとして仕事をもらえる実力をつけて,薬剤師とギタリストの二刀流になれたら嬉しいです。

03
橋本 知佳さん(ひかり薬局 システム課/管理薬剤師,薬剤師8年目)。自筆の回答:Q1 薬剤師として現場で感じた課題を,自分の手でシステムを作って解決すること。Q2 診療圏調査アプリを作っていて,500mメッシュごとの診療科別需要予測を地図に重ねられた瞬間。Q3 社長,取締役,同じ店舗の仲間たち。Q4 まずは社内,将来的には薬剤師業界全体へ。
Q1

いま,何にときめいていますか?

薬剤師として現場で感じた課題を,自分の手でシステムを作って解決することです。原点は高校の選択授業で,蝶々のイラストを動かすだけの簡単なプログラミング課題でしたが,書いたコードが目に見える形で返ってくるのが楽しくて,趣味で続けてきました。いまは会社のシステム課にいますが,頼まれて作るより,「これできそう」とひらめいたものを勝手に作ってもっていくことがほとんどです。夕飯を作りながらでも,気づけばコードの続きを考えています。

Q2

最近,一番嬉しかった瞬間はなんですか?

自作の診療圏調査アプリで,500mメッシュごとの診療科別需要予測を地図に重ねられた瞬間です。調剤報酬改定で距離に関する項目が出てきて,それを組み込んだ調査を自社でできたらと作り始めました。国の人口予測と疾患別の受療率から需要を出すのですが,座標がずれて地図にきれいに重ならず,AIと3日間ケンカしました。ようやく重なったときは最高でしたね。苦労したものほど,できたときの喜びは大きいと思います。

Q3

いま,自分のときめきを共有している人はいますか?

白衣姿で電話をする橋本知佳さん

社長,取締役,同じ店舗の仲間たちです。印象に残っているのは,新規出店を担当する取締役が,調剤報酬改定の資料を見て落ち込んでいたときのことです。薬局が密集する立地には厳しい内容だったんです。それでも,需要があるのに医療機関も薬局も足りない土地はまだまだあります。それを示したくて,診療圏調査アプリを実際に動かして見てもらいました。画面を見て「ああ!」と明るい顔になってくれたのが,すごく嬉しかったです。

Q4

このときめきをどこまで広げたいですか?

まずは社内,将来的には薬剤師業界全体に広げたいです。システムで業務の時間が減れば,そのぶん患者さんと向き合う時間を増やせます。振り返ると,これまで作ってきたものはどれも,現場に立っていたから気づけた課題ばかりでした。現場を離れたら,次の不便に気づけなくなるはずです。だからどこまで広がっても,薬剤師として店頭に立つことはやめません。現場で困って,作って,解決する。この繰り返しを,これからも続けていきたいです。

2026年9月号