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冬の感染症

冬休み明けの外来は,発熱や嘔吐・下痢の子どもたちで混雑します。流行の中心はインフルエンザとノロウイルス。今回はこの二大感染症への対応ポイントを整理します。

インフルエンザ流行期の対応

1月はインフルエンザが本格的に流行する時期です。小児は高熱による脱水や,インフルエンザ脳症などの重篤な合併症に注意が必要であり,薬局薬剤師の適切なサポートが重要となります。

服薬指導では「できるだけ早く服用を開始すること」「解熱後も自己判断で中断しないこと」を明確に伝えましょう。家庭内での感染拡大防止として「手洗い・マスク・換気」を徹底するよう助言します。

ノロウイルスへの注意と家庭内での工夫

同じく冬季に流行のピークを迎えるのがノロウイルスです。例年12〜1月にかけて患者数が増加し,集団生活の場では一気に感染が広がることがあります。

1)感染源

感染源としてはカキなどの二枚貝のほか,嘔吐物・便からの飛沫・接触感染が知られています。

2)症状

症状は激しい嘔吐と下痢が中心で,発熱は軽度にとどまることが多いですが,幼児では脱水に注意が必要です。

3)治療

治療は原則として対症療法であり,薬局では経口補水液の使用方法を具体的に説明できると安心につながります。「一度に大量ではなく,少量を繰り返し飲ませる」と指導すると実際に役立ちます。

4)消毒:感染防止対策

家庭内での感染拡大防止も大切です。嘔吐物や便を処理する際は,使い捨て手袋やマスクを着用し,処理後は次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒します。特に,嘔吐物・便の処理には0.1%程度,環境表面の消毒には0.02%程度の次亜塩素酸ナトリウム溶液が推奨されています。アルコールは効果が不十分なため,その点も保護者へ伝える必要があります。また,タオルや食器の共用を避けることも推奨されます。

まとめ

①インフルエンザ:抗インフルエンザ薬の剤形・年齢ごとの使い分け,処方日数を守る指導,家庭内感染防止
②ノロウイルス:脱水予防,嘔吐物処理と消毒,感染源や拡大防止策の周知

季節に応じた具体的な助言が,信頼される薬剤師への第一歩となります。

2026年1月号