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2025年1月15日,日本薬剤師会は都内で新年賀詞交歓会を開催した。その模様をレポートする。

あいさつに立った岩月進会長は,2024年1月1日に発生した能登半島地震や2025年1月13日に発生した宮崎県沖を震源とする地震,さらには青森県などを襲っている大雪など,頻発するさまざまな災害について触れ,日頃から災害対策を意識した取り組みの重要性について述べた。また,能登半島地震におけるモバイルファーマシーの活躍を踏まえ,現地派遣の重要性について語るとともに,この活躍の礎になったのは,日々の地域住民への医薬品提供の実績であると指摘した。

一方で,2025年は地域包括ケアシステムの目標年であるが,依然として連携体制の構築が十分ではないという認識を示し,重要な課題の一つであるとした。また,「山間部や夜間・休日など,医療提供体制が十分でない地域や時間帯における薬剤師の確保」や「セルフケア・セルフメディケーションの促進」も大きな課題であるとし,住民のヘルスリテラシー向上へ向け,薬剤師が取り組みを強化する必要性について述べた。

あいさつをする岩月進会長

薬剤師は,患者が病院を受診またはOTC医薬品を購入しようと薬局を訪れたときから,医薬品使用後のフォローアップまで,つまり「医療の入口から出口まで」において責任を果たすべきであるとの考えを示し,この責任を全うすることで患者の安心と信頼を得られると語った。

最後に,薬価の中間年改定や物価高など,厳しい薬局経営環境に触れ,薬剤師の人件費が薬価改定の影響を受けにくいような制度を求めるとともに,2025年への決意を語りあいさつを締めくくった。

掲載号
調剤と情報2025年3月号

食物アレルギー最前線


企画:中村 陽一(豊田地域医療センターアレルギーセンター)


食物アレルギーは、身近なアレルギーの一つです。食物アレルギーを有する患者に対して、薬物治療における注意点は薬剤師であればもちろん理解していますが、“常識”だけでは情報が不足してきていることはいうまでもありません。
本特集では、食物アレルギー最前線と題し、食物アレルギーの知識を整理するとともに、薬学部であまり学んできていない交差抗原性や「大人の食物アレルギー」、さらには食物アレルギーの治療や対応などについて、その“最前線”を解説します。