第34回日本医療薬学年会の会場となった幕張メッセ
電話フォローアップで疼痛緩和の成果
ポスター発表では,病院薬剤師による演題が多いなか,薬局での取り組みも散見された。日本調剤北里薬局は,電話によるフォローアップが患者の疼痛改善に寄与したとの成果を報告した。
同薬局では,2023年12月~2024年3月に新規に医療用麻薬が処方された患者12名に対し電話でフォローアップを実施。疼痛コントロールが不良だった6名のうち3名の早期受診を促し,疼痛改善につなげることができた。
40代女性の症例は,乳がんの骨転移による痛みに対しナルサス錠2mg/日とナルラピド錠1mg頓用が処方されたが,初回服用の10日後に電話で確認したところ,痛みはNRS9~10で薬効が不十分と考えられた。そこで,患者に早めの受診を勧めるとともに,処方医にトレーシングレポートで状況を報告。これにより患者は予定日よりも早く受診,ナルサス錠が6mg/日に増量されることとなり,その結果,NRS4と痛みの改善が得られた。