活動の反響
—— イベントではどのような活動をしているのですか?
ヒーローショーでは,「処方された薬は最後まで飲み切ることが大切」というメッセージを伝えたり,お薬手帳の正しい使い方について説明したりしています。参加者にはオーガマンの変身アイテムでもあるオリジナルのおくすり手帳「やくいく手帳」を配布し,楽しみながら薬育ができるよう工夫しています。参加した子どもの薬育がきっかけとなり,家族にも薬を適切に使用することの大切さが伝わる足がかりとなることで,残薬問題の啓発につながっていくのではないかと考えています。ただし,現時点ではその効果を具体的に調査できていないのが課題です。
—— ちょうどコロナウイルスの流行が始まったタイミングでのデビューでしたが,コロナ禍の影響はありましたか?
デビュー当初は商業施設や保育園,幼稚園を訪問し,ヒーローショーを開催していました。しかし,新型コロナウイルスの流行により,大規模イベントがすべて中止になってしまいました。せっかく作り込んだスーツを活用できず,もどかしい日々でした。そこで,YouTubeでの活動に力を入れたところ,そのクオリティの高さが話題となり,オーガマンの知名度向上につながりました。

保育園を訪問するオーガマン
コロナ禍が落ち着いてからは,生活者の衛生管理への関心が高まり,「手洗いやうがいの大切さ」を伝えるための依頼を受ける機会も増えました。他にも,福岡市の官民学連携プロジェクト「福岡100」と協力し,市と共同でポスターを制作し,若年層向けの感染予防啓発活動も行っています。福岡市保育士協会とも連携し,2022年から本格的に保育園訪問を再開しています。現在までに240園を訪問し,これまでに2万5千人以上の園児が参加してくださいました。
—— 生活者や医療従事者からの反応はいかがでしたか?
どのイベントでも,参加者の方々にはとても喜んでいただいています。特に保育者の方々からの反応がよく,子どもたちの楽しそうな姿を見て「こんなに喜ぶなら,また参加させたい」と感じてくださるそうで,次年度以降も継続して応募してくださる園が多くあります。
また,Webサイト上で「大賀薬局を知っていますか?」というアンケートを実施したところ,「知っている」と回答した割合は2023年時点で75.4%だったのに対し,2024年時点では80.8%と着実に増加しています。医療従事者に特化した調査は行っていませんが,保育園,幼稚園などで行ったイベントだと,参加した園児のなかには医療従事者のお子さんが一人はいることが多いので,医療従事者である保育者の方々から「子どもがとても楽しんでいた」といった感想を直接いただくことがよくあります。このような声を通じて,医療従事者の間でもわれわれの活動が徐々に認知されていることを実感しています。