「エンタメのチカラ」が患者にチカラを与える
—— 闘病のなかで「エンタメのチカラ」を感じたということですが,具体的にはどのようなものなのでしょうか?
手術の後,痛み止めが効かないくらい身体が痛いときがあったのですが,そんなときに好きな音楽に触れると痛みが和らいだり,気持ちが少し楽になったりしたんです。なので,入院中は,好きなアーティストのライブ映像やミュージカルをたくさん観ましたし,「エンタメには目には見えないチカラがあるんだな」ということを実感しました。
—— 七海さんの楽曲は,疾走感のある楽曲や可愛らしい楽曲が多いように感じました。また,メジャーデビュー曲の「ダイヤノカガヤキ」を代表するように,各楽曲に「七海うらら」の経験や想いを感じる歌詞がたくさんあると感じています。「エンタメのチカラ」を届けるための音楽活動への想いを教えてください。
私の人生を歌に乗せて,その歌で人の心を動かせるアーティストでありたいと思って活動しています。
「悩み」「挫折」「孤独」「つらいこと」,私はいろいろなことを経験してきました。そしてそれは,皆さんの苦しみと重なる部分も多いのだと思います。だからこそ,皆さんの心に届く歌を歌いたいと思っています。私の経験を隠すことはせずに,あえて私の人柄や過去を知ってもらうことで,曲の深みや歌詞の捉え方が変わることもあると思いますし,経験を伝えることで,皆さんの心に寄り添えるのではないかなと思いました。
同じ病気や状況でなくとも,はたまた病気でなくても,人にはさまざまな苦しみがあると思います。そういった部分に,歌詞が重なって,共感とチカラを届けることができたらなと思います。
—— 確かに,「ダイヤノカガヤキ」のサビに登場する「磨いていた命の輝き 信じたい」や「恨んでいないよ人生の淵 立たされた窮地だって」という歌詞は,七海さんのことを知る前後で捉え方や感じ方が全然違うと思いますし,七海さんが歌うからこそのチカラのようなものを感じました。